ボクの紡ぐ世界
恋・友情・想い。キミに伝えたい、ボクの紡ぐ世界…。
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【閃空輝光】3章10
閃空輝光
普通ならば。
氷結に打ち貫かれながらも、立ちふさがる。
痛みに呻き、なおも睨み。
アースデーモンが片足を上げた。
「――っ! レイ、来るよ!」
「まさか、それっ?!」
地を踏みつければ、地響きと共に地割れが起こる。
グランドブレイク(大地を壊す力)。
どこがどう割れていくか。それは誰にも分からない、ランダムの技。
運がよければその場で立ち止まっていられる。
けど、それはギリギリで見極めなければならない。
四方八方に地割れが走る。
そこから更に枝分かれし、
「ちっ!」
レイが顔に似合わず、舌打ちをして横に飛ぶ。
宙に浮かぶ隙を、アースデーモンは見ていた。
――まずいっ!
咄嗟に判断し、詠唱に入る。
少しでもダメージを軽減させなければならない。
「燃え盛れ炎! そして我らを守りたまえ! フレイムシールド(火炎の盾)!」
同時に、グランドブレス(大地の息)が放たれる。
レイは着地したばかり。体勢はまだ崩れたまま。
中間地点に発動したシールド。
だけど、あっさり打ち破られた。
「レイ!」
叫ぶ私。
彼は振り向き、大地に手を当てた。
「――フォレストレジスト(森林の抵抗)!」
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【閃空輝光】3章09
閃空輝光
「大気を凍えさせたるは、清浄なる白き氷結の調べ! フリージングミスト(凍り行く霧)!」
キラキラと輝いて、凍てつく霧が広がっていく。
その小さな小さな霧の一粒は、全て氷だ。
私が燃やした身体を、急激に冷やせばどうなるか。
言わなくても分かる。
いくら頑丈な土とはいえ、ヒビが入り脆くなってしまう。
グオォォォン!
アースデーモンが叫ぶ。
かなりのダメージを与えたようだ。
続けて呪文が完成する。
「出(いずる)陽より、灼熱の業火よ集え! プロミネンス・イグニション(紅炎・引火せよ)!」
言葉にあるように、これは太陽を主とする炎系の上級魔法。
範囲は狭いが、その分、威力は凝縮されている。
天から熱が落ち、イラプション(炎の噴火)のように地面から灼熱の炎が噴出し、飲み込む。
本当ならもっと上の魔法を放ちたい所だが、今ならこれで十分だろう。
身体のヒビが、更に広がる。
ボロボロと崩れていくのは、その部分が完全に脆くなった証。
次にレイの水系魔法が決まれば、
「氷結の御手が放つ、切り裂く凍れる白き刃! アイシクルスライサー(氷柱の切断するもの)!」
ガアァァァァッ!
勝利である。
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【閃空輝光】3章08
閃空輝光
大地が、異形のモノに形成されていく。
身の丈は、人が三・四人分はあるだろう。
突き出た牙。
鋭い爪。
背後には長い尾。
背からは悪魔のような翼。
それはどこからどう見ても、ドラゴンそのもの。
まるで、この先を守るかのように現れた。
――アースデーモン!
彼が遭遇しなかったことは、奇跡だ。
「――ここまで、アリガト」
馬から降り、手綱を放す。
二頭の馬が無事に逃げ切れるかは分からないけど、これ以上ここに居るよりはマシだ。
「で。水と地、相性としては?」
「良くもあるし、悪くもある」
「ボク次第?」
「そーゆーこと。じゃ、さっさと片付けるってことで先手必勝、ブレイズヒート(爆発する熱)!」
両手の間に、大気中の熱エネルギーを集約させ。
突き出し、呪文を放つ。
それは触れると、爆発する。
だから爆発する熱――ブレイズヒートなのだ。
欠点を上げるとするなら、周囲の温度も上げてしまう所か。
更にもう一つ。
周りは燃えやすい木が生い茂っている。
森林火災を引き起こさないとも限らずで、呪文は限定されてしまっていた。
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【閃空輝光】3章07
閃空輝光
「え? ちょっと何で?!」
「そうだよ。アルスフィルはボクたちの主戦力で」
口々に言う。
言葉は、遠くを見つめる真剣な眼差しに消された。
何かを見ている。
私たちには見えない現象か。
「何があったの?」
「魔物を呼ぶ魔方陣。だから、行く!」
強い言葉。
一瞬、彼を一人で行かせてはならない気がした。
心にモヤモヤとしたものが湧き上がる。
それでも、止める言葉はかけられない。
こんな眼差しを、知っている。
だから、
「行って!」
「ああ。止めてくる!」
アルスフィルに全てを託すしか、選択肢がないのなら。
その背を押した。
光が走り、ロングコートが風に舞い、馬が駆けて行く。
開けた道は、すぐに魔物で塞がれてしまう。
倒しても、倒しても。
馬の足を止める。
一人で行かせてはならない気は、多分この事態を本能で予測していたのだろう。
「…………主戦力、行っちゃったけど?」
「…………結構……最悪に、なったわね」
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【閃空輝光】3章06
閃空輝光
テルドの町から北の亀裂の一番近くまでは、馬を休ませず飛ばして約二日。
だったけれど。
馬は、魔物の気配に怯えていた。
まともに走れるわけがない。
半日もオーバーしてしまった。
事態はどこまで進行しているのか。
誰にも、分からない。
「そっち、左手側!」
「分かっている! 光あれ、ライトアロー!」
「――よっし! この森を抜けきると、あとは何もない荒野だから!」
「あと少しって言うけど、だんだん魔物の数が増えてきてるって!」
「文句言う前に、アイツを見習えっ!」
怯えながらも、それでも馬は走ってくれる。
それは目の前の魔物を、乗っている人が倒していくからだ。
こうした中、一番活躍しているのはアルスフィルの光系魔法で。
投げナイフが主武器のレイも、十分活躍できるはずなのに。
文句ばかりが多い。
――私も人のこと言えないけど。
森の中では、得意の炎系は派手に使えない。
アルスフィルが活躍と言っても、二人で任せてしまう酷な状況での活躍。
彼は文句を言うより、詠唱に口を開いていた。
今の一発まで。
「悪い、先行する!」
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