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ボクの紡ぐ世界

恋・友情・想い。キミに伝えたい、ボクの紡ぐ世界…。

【閃空輝光】3章10 

 2008/07/06 Sun 00:31:57 
閃空輝光 
3章:刻まれる紋章、二人が行く道。 10


 普通ならば。
 氷結に打ち貫かれながらも、立ちふさがる。
 痛みに呻き、なおも睨み。
 アースデーモンが片足を上げた。

「――っ! レイ、来るよ!」

「まさか、それっ?!」

 地を踏みつければ、地響きと共に地割れが起こる。
 グランドブレイク(大地を壊す力)。
 どこがどう割れていくか。それは誰にも分からない、ランダムの技。
 運がよければその場で立ち止まっていられる。
 けど、それはギリギリで見極めなければならない。
 四方八方に地割れが走る。
 そこから更に枝分かれし、

「ちっ!」

 レイが顔に似合わず、舌打ちをして横に飛ぶ。
 宙に浮かぶ隙を、アースデーモンは見ていた。
 ――まずいっ!
 咄嗟に判断し、詠唱に入る。
 少しでもダメージを軽減させなければならない。

「燃え盛れ炎! そして我らを守りたまえ! フレイムシールド(火炎の盾)!」

 同時に、グランドブレス(大地の息)が放たれる。
 レイは着地したばかり。体勢はまだ崩れたまま。
 中間地点に発動したシールド。
 だけど、あっさり打ち破られた。

「レイ!」

 叫ぶ私。
 彼は振り向き、大地に手を当てた。

「――フォレストレジスト(森林の抵抗)!」


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【閃空輝光】3章09 

 2008/07/05 Sat 00:24:54 
閃空輝光 
3章:刻まれる紋章、二人が行く道。 9


「大気を凍えさせたるは、清浄なる白き氷結の調べ! フリージングミスト(凍り行く霧)!」

 キラキラと輝いて、凍てつく霧が広がっていく。
 その小さな小さな霧の一粒は、全て氷だ。
 私が燃やした身体を、急激に冷やせばどうなるか。
 言わなくても分かる。
 いくら頑丈な土とはいえ、ヒビが入り脆くなってしまう。

 グオォォォン!
 
 アースデーモンが叫ぶ。
 かなりのダメージを与えたようだ。
 続けて呪文が完成する。

「出(いずる)陽より、灼熱の業火よ集え! プロミネンス・イグニション(紅炎・引火せよ)!」

 言葉にあるように、これは太陽を主とする炎系の上級魔法。
 範囲は狭いが、その分、威力は凝縮されている。
 天から熱が落ち、イラプション(炎の噴火)のように地面から灼熱の炎が噴出し、飲み込む。
 本当ならもっと上の魔法を放ちたい所だが、今ならこれで十分だろう。
 身体のヒビが、更に広がる。
 ボロボロと崩れていくのは、その部分が完全に脆くなった証。
 次にレイの水系魔法が決まれば、

「氷結の御手が放つ、切り裂く凍れる白き刃! アイシクルスライサー(氷柱の切断するもの)!」

 ガアァァァァッ!

 勝利である。


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【閃空輝光】3章08 

 2008/07/04 Fri 02:55:10 
閃空輝光 
3章:刻まれる紋章、二人が行く道。 8


 大地が、異形のモノに形成されていく。
 身の丈は、人が三・四人分はあるだろう。
 突き出た牙。
 鋭い爪。
 背後には長い尾。
 背からは悪魔のような翼。 
 それはどこからどう見ても、ドラゴンそのもの。
 まるで、この先を守るかのように現れた。
 ――アースデーモン!
 彼が遭遇しなかったことは、奇跡だ。
 
「――ここまで、アリガト」

 馬から降り、手綱を放す。
 二頭の馬が無事に逃げ切れるかは分からないけど、これ以上ここに居るよりはマシだ。

「で。水と地、相性としては?」

「良くもあるし、悪くもある」

「ボク次第?」

「そーゆーこと。じゃ、さっさと片付けるってことで先手必勝、ブレイズヒート(爆発する熱)!」

 両手の間に、大気中の熱エネルギーを集約させ。
 突き出し、呪文を放つ。
 それは触れると、爆発する。
 だから爆発する熱――ブレイズヒートなのだ。
 欠点を上げるとするなら、周囲の温度も上げてしまう所か。
 更にもう一つ。
 周りは燃えやすい木が生い茂っている。
 森林火災を引き起こさないとも限らずで、呪文は限定されてしまっていた。


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【閃空輝光】3章07 

 2008/07/03 Thu 01:54:13 
閃空輝光 
3章:刻まれる紋章、二人が行く道。 7


「え? ちょっと何で?!」

「そうだよ。アルスフィルはボクたちの主戦力で」

 口々に言う。
 言葉は、遠くを見つめる真剣な眼差しに消された。
 何かを見ている。
 私たちには見えない現象か。

「何があったの?」

「魔物を呼ぶ魔方陣。だから、行く!」

 強い言葉。
 一瞬、彼を一人で行かせてはならない気がした。
 心にモヤモヤとしたものが湧き上がる。
 それでも、止める言葉はかけられない。
 こんな眼差しを、知っている。
 だから、

「行って!」

「ああ。止めてくる!」

 アルスフィルに全てを託すしか、選択肢がないのなら。
 その背を押した。
 光が走り、ロングコートが風に舞い、馬が駆けて行く。
 開けた道は、すぐに魔物で塞がれてしまう。
 倒しても、倒しても。
 馬の足を止める。
 一人で行かせてはならない気は、多分この事態を本能で予測していたのだろう。

「…………主戦力、行っちゃったけど?」

「…………結構……最悪に、なったわね」


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【閃空輝光】3章06 

 2008/07/02 Wed 02:09:51 
閃空輝光 
3章:刻まれる紋章、二人が行く道。 6



 テルドの町から北の亀裂の一番近くまでは、馬を休ませず飛ばして約二日。
 だったけれど。
 馬は、魔物の気配に怯えていた。
 まともに走れるわけがない。
 半日もオーバーしてしまった。
 事態はどこまで進行しているのか。
 誰にも、分からない。

「そっち、左手側!」

「分かっている! 光あれ、ライトアロー!」

「――よっし! この森を抜けきると、あとは何もない荒野だから!」

「あと少しって言うけど、だんだん魔物の数が増えてきてるって!」

「文句言う前に、アイツを見習えっ!」

 怯えながらも、それでも馬は走ってくれる。
 それは目の前の魔物を、乗っている人が倒していくからだ。
 こうした中、一番活躍しているのはアルスフィルの光系魔法で。
 投げナイフが主武器のレイも、十分活躍できるはずなのに。
 文句ばかりが多い。
 ――私も人のこと言えないけど。
 森の中では、得意の炎系は派手に使えない。
 アルスフィルが活躍と言っても、二人で任せてしまう酷な状況での活躍。
 彼は文句を言うより、詠唱に口を開いていた。
 今の一発まで。

「悪い、先行する!」


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